最初に農園を訪れた時の感想です。
森林浴ができるほど豊かな緑に感動したのを覚えています。
農園に入ると、地面近くに実ったパイナップルやコーヒーの赤い実が目に入ってきました。
農園を進んでいきながら、これがレモングラス。ほら、ここに胡椒がなってるよ。これはシナモンの木。これはクローブなどと教えてもらいながら農園を進んでいきました。
そして、目指すバニラです。
その時はちょうど収穫時期の6月でしたので、たわわに実るグリーンバニラを見ることができました。
案内してくれた農場主のジョセフが自慢げに見せてくれたのを覚えています。
6月といえば、マダガスカルではランブータンというライチに似た果物が美味しい季節です。
ジョセフはスルスルっと木にのぼり、ランブータンの身をたくさん取ってきてくれました。
バナナの葉っぱをお皿に、パイナップルやランブータンを並べて、食べた果物たちは格別の甘さでした。
森のような美しい農園とそこで働く人たち。ここのバニラを日本に届けようと決めました。
直感的な決断でしたが、よくよく考えるとこのバニラには大きな意味があることに気づきます。
アグロフォレストリーは自然と共生する持続可能な農業の一つの形です。
農薬も肥料も使わず自然の力最大限に活用しながら作物を育てます。
また、農家の人たちと繋がりながら購入することで、フェアトレードを実現しています。
私たちはどのくらいのお金が農家の人たちに渡っているのかを把握しています。
農家の声を皆さんに届けることができますし、皆さんの感想を農家の人達に届けることもできます。
寄付とか支援とかではなく、ビジネスを通して対等な立場で付き合いたい、応援したいと思っています。
だから彼らには
「とにかくいいバニラを作ってくれ。僕が日本で使ってくれる人を見つけるから」とよく話しています。
開発支援のもと多くのお金が流れ込む中、何をやってくれるんだ?と期待する農家も多いと聞きます。
そんな中で、自立して期待に応えてくれていいバニラを届けてくれています。
この貴重なバニラを最高の形で日本の皆さんに届けるために、多くのパティシエやブランジェリー醸造家の方々に製品にしていただいています。
そして、私たち自身でもオリジナルの商品の開発を始めました。
マダガスカルのアグロフォレストリーから繋がる、たくさんの人たちのこだわりが詰まった商品を、
バニラの香りとともに楽しんでいただければと思います。