アグロフォレストリー通信 #39 木陰の秘密
いよいよ夏本番という暑さになってきましたね。皆様夏バテ大丈夫でしょうか?スーパーの涼しさが心地よく、もうクーラーが必須の時期ですね。外で作業をしていると地獄の暑さです。ただ、今私が住んでいる家は標高300mくらいの山の中にあり、灼熱の日でも涼しく過ごせています。窓を開けていると涼しい風が入ってきてクーラはいらないくらいです。
最初は少し標高が高いから涼しいのかと思っていたのですが、停めている車の中は灼熱。さらにご近所のお家はエアコンが必須な環境らしく、外はかんかん照りでもなぜ涼しいのか不思議でした。考えてみると家の周りに大きな木があり、その木によって家が影になっていることが大きく起因していそうです。
木陰が涼しい理由は単に日を遮っているからだと思っていたのですが、どうもそうではないらしいのです。植物には蒸散という機能があります。植物が根から吸い上げた水分を葉から水蒸気として放出する際、周囲の熱を奪います。その「気化熱」の働きにより、木陰周辺の空気が冷やされています。さらには冷やされた空気が下へと降下する際に、微風がおこり、これでまた涼しくなるのだとか。またアスファルトやコンクリートは熱を蓄え、下から熱を放ちますが、木の下の土や芝生は水分を含んでおり、熱を蓄えにくい。上からの熱だけでなく、下からの熱も抑えられています。
環境省の試算では、木陰によって日射の約8割、赤外放射の約6割が減少し、その結果、体感温度は約7℃も下がるとされています。(引用元:萩島ほか, 街路樹の暑熱緩和効果に関する調査研究:その 2 放射温度分布, 日本建築学会大会学術講演梗概集 D, 1443- 1444, 1994)まさに自然のクーラーです。
このどんどんと熱くなる夏をどう乗り切るか。樹木は私たちの暮らしに心地よさを科学的に提供してくれているのだなと感じた出来事でした。
2026年7月21日
武田瑞季
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