Kurumiru/ 12月 27, 2023/ アグロフォレストリー通信/ 0 comments
アグロフォレストリーとは「農業:Agriculture」と「林業:Forestry」という言葉を組み合わせた造語で、森を維持しながら多種多様な果樹や野菜を育てる農業のあり方です。そのあり方は様々あり、林業と農業を合わせたかたち、林業と畜産を合わせたかたちなど地域によって色々な種類があります。今までのアグロフォレストリー通信では世界のかたちを見てきましたが、これはもちろん日本でも実現可能なかたちです。というよりも既に昔から実現されているとも言えると考えています。日本には「里山」という概念があります。これは奥山と都市の間で、集落を取り巻く農地、ため池、二次林と人工林、草原などで構成される地域を指す言葉です。里山では木から薪をとったり、燃料となる炭を作ったり、住宅の木材として利用します。山からはきのこや山菜を取り、アケビやゆず、胡桃など果物や木の実も取ります。さらには蜂の巣を作って養蜂をしたりします。
山という資源を存分に生かし、利用し、循環させる。林業を行い、林産資源を得る。そういった目線で見ると、日本で昔から行われてきた生業、そして里山、それが熱帯雨林地域でいうところのアグロフォレストリーなのではないかと考えています。里山は木材やきのこ、果物といった資源を生産するだけでなく、土砂崩れの防止やCO2の吸収など森の機能も持ち合わせています。さらには野生動物の生息地にもなっていて、人が手を加えた、里山という状態でしか生きることができない生きものもいます。自然と人間が影響し合いながらもバランスよく共生するかたちとして、世界でも日本のSATOYAMAが注目されています。
次回からは日本のアグロフォレストリー「里山」にフォーカスをあてて、何回かにわけて書いていきたいと思います。世界では森林の減少が大きな問題となっていますが、日本の森林の課題はまた少し違います。木を伐ること=悪いことと思いがちですが、日本の場合はそうではありません。里山編第1回では、木を「伐る」ことが大事?ということについて触れていきます。第2回では里山の現状について、第3回では里山を回復させるためにはどうすれば良いのかについて、書いていきたいと思います。
2023年12月19日武田瑞季
前回のアグロフォレストリー通信#09アグロフォレストリー通信 農業のはじまり 食べ物を「作る」ということ はこちらからご覧いただけます。
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