持続可能な食の未来へ

Coen.mg/ 6月 23, 2025/ Newsletter/ 0 comments

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僕が住む団地の敷地内には花や果実をつける樹木がたくさん植えられています。東京23区内に住みながら季節の移ろいを感じることができるのは嬉しいものです。今月はグミが赤い実をたくさんつけました。子供たちがそれを採って食べる姿も。今はクチナシの花が香っています。月初には、春に花を咲かせた梅や杏がたわわに実りました。今年は梅が豊作ですね。団地の管理組合が企画して、毎年採取会が行われます。今年もたくさんの杏をいただいて、それをジャムにしました。もちろんたっぷりのバニラビーンズを使って。今年もとてもいい出来です。

先日、農林水産省から『持続可能な食の未来へ 日本の料理人・シェフのサステナビリティ・マニフェスト:2030年へ向けた 17 の指針』なるものが公開されました。これは、農林水産省フードテック官民協議会の元に設立された「サステナブルレストラン推進ワーキングチーム(WT) 」に集まった料理人たちにより作成されたものです。料理人・シェフの視点から持続可能な飲食の実現に向けた指針が示されています。詳しくは僕の語るところではありませんが、この指針を読むと、伝統料理、多様な食文化、自然との共生、生物多様性といった言葉が多く散りばめられていて、自然と共生する形の農業を尊重し支持することが強く意識されていると感じました。このことはアグロフォレストリーや里山に通じるもので、僕ももちろんこれには大賛成で、このマニフェストへの賛同を表明しました。ちなみに継続的に賛同者を募集しているようですので、興味ある方はぜひ見てみてください。

ただここで勘違いしたくないのは、このような農業を支持するからといって、今の一般的な農業をダメだといっているわけではないということです。だって、当然ですが、今の農業や農家の人たちなしには私たちは生きていけないわけですから。そうではなくて、ここで強調したいのは、アグロフォレストリーや里山のように自然と共生する農業の価値をもっと認めよう。高めましょう。ということです。それは、このような農業が単に食料を生産しているだけではなく、自然環境との共生であったり伝統的な文化の基盤になる素晴らしい農業のあり方の一つであるからです。しかも、なぜかそのような大切な価値があまりにも見過ごされているからです。

いずれにしてもまず重要なのは、僕を含め生活者(あえて消費者ではなく生活者という言葉を使います。理由は別の機会に述べるようにします)が、自分たちが口にする食材が誰によってどんなところで生産されているのかということにもっと関心を持つことだろうと思います。このニュースレターのテーマでもある「持続可能な食」に向かう道は、より多くの人が生産者に関心と感謝の気持ちを持つところから始まるだろうと思います。そのためにも、農業の現場である田舎にたくさんの人に足を運んでほしい。前回のニュースレターと同じ結論になりますが、まずは田舎に出かけましょう。そのための夏休みの計画を今から立てるのもいいかもしれませんよ。

収穫した苗目の梅

2025年6月23日
合同会社Co•En Corporation
代表 武末克久

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