Adolphe/アドルフ

最初に協同組合を訪れた時に案内してくれたのがアドルフでした。知人の知人の紹介でやっとたどり着いたAdolphe。日本とマダガスカルでメールのやり取りをして決めた待ちわせの場所と時間。本当にその場所に来てくれるのか不安もありました。アドルフの笑顔を見たときにとても嬉しかったのを覚えています。

アドルフは森林保全やアグロフォレストリを専門にする国際NGOで働いています。マダガスカル全土で、レインフォレストアライアンスとも協働しながら活動していますが、この協同組合には組合の立ち上げの時から関わっています。アドルフには何度か農園を案内してもらい、その間にたくさんのことを教えてもらいました。

どうして今の仕事についたのですか?

“私は田舎で育ち、農作業の手伝いをよくしていました。一方で、マダガスカルでは農業によって豊かな森が失われています。だから、大学に進学した時に、農業と森林保全を両立させる方法を探求したいと思い、大学院ではアグロエコロジーやアグロフォレストリを勉強しました。今は、その専門性を活かして活動しています。”

アグロフォレストリの可能性についてどう考えていますか?

“アグロフォレストリを普及させることで、マダガスカルの農業や社会はより持続可能なものになると考えています。アグロフォレストリには、環境的にも社会的にも経済的にもメリットがあります。加えて、アグロフォレストリは、マダガスカルの農業では大きな課題であるサイクロンに対しても強さを発揮します。マダガスカルに上陸するサイクロンは、気候変動の影響を受けその威力を増していますが、アグロフォレストリの農園では、樹木が強風の影響を和らげますし、在来の植物はそもそも風や雨に強いからです。”

協同組合に期待することは?

“組合には、ヨーロッパだけではなく、これからはアメリカや日本をはじめとするアジアの市場を開拓して欲しいと思っています。同時に、より多くの農家を取り込んで生産量をふやして欲しいと思います。そうすることで競争力がついて、より安定した経営ができるようになると考えています。”

これからの夢は何ですか?

“これからの10年間で、アグロフォレストリを大きく普及させて、マダガスカルの、その中でも特に東側沿岸地域の農業をもっと持続可能なものにしたいと思っています。”