“息子に農業を継いで欲しいと思うようになった”

Josephe/ジェセフ

1975年から農業に従事する。2009年から協同組合に加盟。

ジェセフの家は、代々農業を営んで来ました。

私がマダガスカルで一番初めに訪れたのが、彼の畑でした。一見森のような畑(アグロフォレストリなので当然なのですが)。でも、下草は綺麗にかられていて、高木の枝は適度な光が差し込むように剪定されていました。丁寧に管理されている彼の畑に感動したのを覚えています。

彼には、3人の娘と1人の息子がいますが、息子には農業を継がせたくないと思っていたそうです。農家の社会的地位が低く、貧しいからです。しかし、協同組合に加入してその考えが変わったそうです。

協同組合に加入してから、ジョセフは収入が増えたと言います。稼いだお金は、家族の健康や教育に使いたいとのこと。今年は新しい車を買ったことを自慢していました。作物を運ぶのが楽になったそうです。また、「ヨーロッパやアメリカでは農家は裕福だと聞いた。自分もそうなりたい。」そう話してくれました。

なぜ協同組合に加入したのですか?

“協同組合は収穫した作物の全量を買ってくれる。売り先が確保できるからなんだ。”

協同組合に加盟して良かったことは?

”売り先が確保されること、技術的な指導をしてくれたり生産量をあげるように後押ししてくれること、作物を一般的な価格よりも高く購入してくれること、かな。”

“日本からわざわざここまで来てくれるだけでもすごく嬉しいよ。僕らの作ったバニラが日本でも買ってもらえたらこれほど嬉しいことはないな。”

とも話してくれました。こんな感じで、農園を訪問して聞く農家の人たちの言葉が、僕の励みになっています。

バニラの生産の過程で一番大変なのが受粉。メキシコが原産のバニラは、マダガスカルには花粉を媒介する虫がいないため、ひとつひとつ手で受粉させてあげなくてはなりません。しかも、花が咲くのは1日だけ。花が咲く11月〜12月は、毎日農園を見回らなければいけません。ものすごく手のかかる作業です。そのやり方を丁寧に説明してくれました。

 

 

農園を見学している途中、ジョセフがスルスルっと木に登ってランブータンを取って来てくれました。それから、実ったパイナップルを採って、バナナの葉っぱをまな板がわりに切ってご馳走してくれました。採りたてのみずみずしい果物は、本当に美味しかったなあー

 

 

 

 

ジェセフ(右)とアドルフ(左)と、農園の近くの村にて