アグロフォレストリー通信#35 厄介者を資源に
Kurumiru/ 3月 24, 2026/ アグロフォレストリー通信/ 0 comments
アグロフォレストリーは「食べられる森」と訳されることが多いですが、実はアグロフォレストリーの要素は食べられることだけではありません。マダガスカルでも木材になる高木を植えたりしています。今回は食べる以外の植物の活用に着目してみたいと思います。先日、葛(くず)という植物のつるを使ってかご作りのワークショップをしました。
葛という植物は普段は厄介者です。繁殖力が強く、周りの植物を一気に飲み込んでしまいます。アメリカでは日本から持ち込まれた葛が繁殖しすぎて侵略的外来種に指定されています。一方で「くず餅」というように根っこはくず餅の原料になり、春の新芽は天ぷらにして食べることができます。紫色の花も甘い香りがしてシロップやゼリーで楽しむことができます。そして今回はつるに着目しました。前々から自分でカゴを編んでみたいと思っていたのですが、丁度葛の海に呑まれてしまったハウスがあり、材料は揃った! ということで葛のつるを収穫してかごを編んでみました。これが結構楽しくて、昔の人はこんな風に周りにあるもので身の回りのものを作っていたんだろうなと、そんなことを思いながらかなりの時間集中して編んでいました。
鴨川に来て2年、食べられる雑草が色々あることを知りました。雑草も葛も、今まで厄介者と思っていたものでも、活用方法がわかると取り放題の資源に見えてくるから不思議です。葛を収穫して、水につけて、一本ずつ編み込んでいく。確かに手間はかかりますが、その分作ったものに対しての愛着もわきます。それから手元に集中しながら無心でかごを編む時間はどこか自分と向き合えるような時間でした。色々なことを忙しく考えてしまう日々の中で手を動かすことに集中できる時間は心の余白にもなり豊かな時間だなと感じました。こんな時間を大切に生活していきたいなと思います。
2026年3月24日
武田瑞季
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