Coen.mg/ 5月 27, 2018/ いきもの, 風景/ 0 comments
マダガスカルの気候を考える上では、まずこの島の地形を見る必要があります。下の地図はGoogle Earthで見たマダガスカルです。方角は、左上が北、右下が南になります。この地図を見るとわかるように、マダガスカルの中央部分は台地状に隆起しています。地図の右上の緑の部分、マダガスカル東部の海沿いは海抜に近い標高が低い場所です。そこから西は茶色になりますが、ここは標高が高い台地です。首都のアンタナナリボはこの台地上に位置し、標高は1200mほどです。
気候を決める上でもう一つ重要なのは風です。マダガスカルは南半球に位置するため、貿易風は日本と逆で東側から吹きます。このインド洋から吹く湿った空気が台地の斜面で上昇し雲を作り雨を降らせます。そのため、マダガスカル東沿岸部は年中雨が多い高温多湿の熱帯性の気候で、バニラをはじめ、カカオやシナモン、パイナップル他、トロピカルフルーツの栽培に適しています。
一方で、西側は乾燥しており、サバンナの草原が広がります。バオバブが群生するのは西海岸沿岸です。また、特に南西部は、サボテンが生えるほど乾燥が強くなります。中央部分は標高が高いため緯度が低い割りには涼しく、1年を通して比較的温暖で乾燥した、過ごしやすい気候です。
季節は雨季と乾季に分かれます。11月〜3月くらいまでが比較的気温が高く雨が多い雨季です。これは、この時期にモザンビーク海峡(アフリカ大陸)から北西の季節風が吹くからです。この季節には、インド洋で発生した大型のサイクロンが東部沿岸から上陸することがままあり、農作物に大きな被害をもたらしたり、洪水や土砂崩れなどの災害をまねきます。観光するには、天気の日が多い乾季で、日が長くなる9月、10月がお勧めです。
このように地域によって気候が大きく異なるために、動植物の多様性が生まれ、地域ごとに特色のある生活習慣や文化が育まれています。