マダガスカル日記2025 (23)

Coen.mg/ 5月 31, 2025/ マダガスカル日記2025/ 0 comments

2025/2/24 つづき

Adolpheと別れた後、さらに山道のような道をバイクの後ろで揺られながら進む。1時間弱泥道を走ったところでLudovicがバイクを止める。目の前には、本当にちっぽけな橋が、植物で覆われていて探さないと見つけられないほどの小川の上にかかっている。苦労してみにきたのがこれか…と正直残念な気持ちになる。Ludovicにも申し訳ない。でもこれが協同組合が造った橋である。

体を伸ばしたり写真を撮ったりLudovicの話を聞いたりしながら、しばらくの間は市の周辺で過ごす。周辺は水田が広がり静寂に包まれている。ふと、人の賑やかな声が聞こえてきた。作業帰りの人たちが通りかかる。頭にお皿をたくさん入れた桶を乗せた女性たちや、鉈(なた)などの農機具や籠を持った男性たちが向こうからやってくる。この橋をどう思っているかを聞きたくて声をかけたけど、スマホのカメラを向けると恥ずかしそうに走っていってしまった。彼らの声で直接は聞けなかったけど、その姿が、この橋がとても役に立っていることを語っている。

大きな枯れ木を肩に乗せて運んで歩く人もいた。おそらく薪にするのだろう。それにしてもよくこんな大きな木を一人で運べるものだと感心する。でもこの小さな橋がなければ川を渡るの苦労するだろうなと思う。

協同組合は売上の一部をこのような地域のためのインフラ整備に使っている。私たちが支払うお金の一部はそのような用途に使われることが約束されている(フェアトレードのプレミアムといわれている)。

2/21に視察した集会場兼倉庫もそうでしたが、協同組合のインフラ整備の手がこんな人里離れた集落にまで伸びていることに驚く。Fanohanaには500近い組合員がいて農園の分布は広範囲に及ぶ。そのため、広い範囲から地域のニーズを汲み取ることができる。また、組合員の要望を受け、総会でそれが決議される流れはとても民主的だと感じる。協同組合の収益が広い範囲に分配される素晴らしい仕組みが構築されていることに感銘を受ける。そう思うと泥まみれのこの小さな橋が偉大なもののように見てきたのであった。

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