マダガスカル訪問記 2019年2-3月 (2): ワイルドペッパーの保全に挑戦

Coen.mg/ 4月 21, 2019/ つぶやき/ 0 comments

マダガスカル訪問記2019年2-3月の第2回目は、ワイルドペッパーについて。

協同組合のアグロフォレストリでは、いわゆる一般的なコショウが育てられています。ワイルドペッパーはこれとは違い、野生で育ったマダガスカル原産のコショウのことです。マダガスカルには野生のコショウが4種類ほどあるそうです。その中でもおいしいのは2種類。一般的なコショウと違ってアロマティックな香りがします。

左:コショウと右:ワイルドペッパー。ワイルドペッパーのみは一回り小さく、柄が付いている。

ワイルドペッパーは、今のところ栽培はされていません。しかし、森林が急速なスピーとで減っていく中で、これを保全しようとする活動が始まっています。今回のマダガスカル訪問ではその活動を見学しまた。

まず連れて行ってもらったのはナーサリー。つまり苗を育てている場所です。コショウは蔓性の植物で、蔓を切って挿し木することで増やすことができます。ヤシの葉で木陰を作った場所でたくさんの苗が育てられていました。これをアグロフォレストリの農園で育てようというわけです。

ナーサリーの農園主とワイルドペッパーの苗

苗が育つのであれば栽培はそう難しいくはないのでは? と思ったのですが、そう簡単にいかないようです。実験的に苗を移植した農園をみせていただきました。すると、元気よく木を這い上がっているヤツがいる一方で、なかなか這い上がることができずに枝に紐で留められているものもありました。むしろ、そっちの方が多いかもしれません。原因はまだはっきりしないそうです。今は、生育に良い条件を探っているところなのだそうです。とはいえ、順調に育つ個体があるわけですから、栽培には大いに期待が持てそうです。

木を這い上がるワイルドペッパー

案内してくれたAristy。学生でありプロジェクトの中核メンバーの一人

マダガスカルの主要な輸出品といえば、いわずもがなバニラです。特に近年の価格高騰でその存在感は一層大きくなっています。しかし、マダガスカルには他にもたくさんの魅力的な農作物があります。アグロフォレストリでも何種類もの作物が育てられています。近い将来、バニラ以外にも、シナモンや、クローブ、コショウなどを日本に届けたいと思っています。ワイルドペッパーは、今は野生のものしかありませんが、そのうち、農園で育てられるようになれば安定的に供給できるようになるはずです! 今回ご紹介した保全活動に大いに期待しているところです!!

次回はアグロフォレストリを離れ、アンタナナリボ とトアマシナの中間に位置する、アンダシベ 国立公園をご案内します。アンダシベ には珍しい動物や昆虫がたくさん生息していますよ!

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