Kurumiru/ 1月 23, 2025/ 武田瑞季が行く/ 0 comments
武田瑞季が行く#7
12月の中頃に行った能登のレポートの続きです。輪島市でのスイーツの配布を終えた後、もう少しだけ能登に滞在し災害ボランティアに参加してきました。今回参加したのは「結」という災害NGOでの活動でした。結では被害を大きく受けた場所よりも南側の、西岸という地域にある廃校「にしぎしベース」を活動拠点にしています。にしぎしベースでは、助かったものを救う、今・未来を考え、被災者・支援者・地球に思いやりと責任をもって活動するという理念のもと、3つの団体で備品と拠点を共有し活動しています。夜遅くの到着となってしまいましたが、食堂で皆さんと一緒にご飯をいただき、暖かく迎え入れてもらいました。旅人、コーヒー屋さん、障害者支援のお仕事をしている方など、みなさんそれぞれ様々なバックグラウンドを持っていて、活動の仕方も毎日滞在してる方、毎週来る方など様々でした。
にしぎしベースでの活動内容は物流(物資の配達など)、現場ガテン(瓦礫撤去や家財運搬など)、炊き出しサロン(炊き出し、人が集まる居場所作りなど)、ものづくり(棚など生活を整えるものづくり)、ベース(活動拠点の提供、整理)の大きく5つに分けられます。地震の後の豪雨災害の被害が大きい北側の地域では家の中や裏が土砂に埋まってしまっている場合も結構あるそうで、その場合は大きな機械では入れないので人の手で土砂のかきだしをします。今回私は結で活動しているボランティアスタッフの活動に密着する形で、一緒に土砂出しの現場に参加させてもらいました。
この日は畑が土砂に埋もれてしまった場所を整理してほしいとのことで、外部から2日間のボランティア活動で参加されている団体の方と一緒に作業をしました。外部からボランティアで来る方々と現場のニーズを繋ぐのも結の役割です。まずは瓦礫を撤去します。鉄パイプや木片、ガラス片など土砂に紛れて流れてきたであろう大きなものを取り除きます。続いて泥かき。この泥かきが結構大変でした。水を含んだ土砂はかなり重たく、掬い取ってバケツに溜めるだけでもかなり力を使います。それをさらに運んでトラックへ。これは男性でもなかなか大変な力仕事です。前日も側溝の土砂出しだったというみなさんは疲労が蓄積しているようでした。休憩を取りながら活動します。私も案の定普段の運動不足が祟って翌日筋肉痛になりました。4時間ほどの作業を終え畑はすっかり綺麗になりました。団体の方々にお礼を言い、お見送り、備品の掃除片付けをした後は現場の確認に向かいます。この日は畑チームと家屋の裏チームで作業をしていたので、その日の進捗を確認しにいきました。確認の際、丁度家主の方がいらっしゃっていました。いつもの挨拶といった様子でスタッフが何か他に困ったことはないか尋ね、家主の方がいつもありがとうございますとおっしゃっていた様子から一軒一軒とコミュニケーションをとって関係を築いてきたのだなということがよく分かりました。
土砂出しの活動を終えた後は地域の交流拠点へ向かいます。この日は丁度クリスマスイベントの前日とのことで、地域のお母さんたちが準備をしていました。クリスマスイベントでは地域の子どもたちを呼んでご馳走を振る舞い、サンタさんがプレゼントを配る予定です。この辺りは学校がないので子供の数も少ないようでしたが、みなさん張り切って準備していました。わいわい準備している様子がとても素敵で、こういう楽しみがあるとみんないきいきできるよなと感じました。普段はこの場は地域の交流拠点として開いています。災害後どうしても孤独感やどうしようもなさを抱えてしまう中で、大切なのは人との交流なのではないでしょうか。一人じゃないことを感じること、人と人とがお互いに支え合う上でこういった場所があることはとても大切だなと思いました。その後は地域のおじいさんのお家へ。すっかり暗くなってしまいましたが夜ご飯をご一緒させていただきました。毎年この時期にお餅をついていたのだけれど今年は一人で寂しいから一緒に餅つきをしないかというお誘いでした。聞くとおじいさんは元々奥さんとお母さんの3人で暮らしていましたが、震災でお母さんがショックを受けてしまったためお母さんと奥さんは金沢の仮設住宅へ。仮設住宅も広くはないのでおじいさんはこちらで残って家のことを片付けながら暮らしているとのことでした。その夜はこの地域のこと、おじいさんの武勇伝の話を聞いて楽しく過ごしました。普段は1人の食卓が賑やかになったと嬉しそうなおじいさんを見てこちらまで嬉しかったです。田舎で元々若者が少ないこの地域ではボランティアスタッフを孫のように可愛がってくれていました。その様子を見て、ここまでの信頼と関係性の構築はスタッフの細かなケアによるものなのだろうという感心と同時に、こうやって住民一人一人と関係を結んで、心の支えになる存在がどれほど重要なのだろうかと考えさせられました。
災害から1年経った今、だんだんと忘れ去られてしまっているところもあると思います。ですが、現地の現状はまだまだです。私も実際1日でも行って何か力になれるだろうか、そう思っていました。しかし現場は少しでも人手を必要としています。被災地で活動したいという方は、ボランティアセンターから申し込みされるのをお勧めします。被災地では宿泊施設も営業をしていなかったり、ボランティア活動用に使用していたりして空きがない状態です。その点ボランティアセンターに申し込むと、金沢駅からボランティア専用のバスでの移動が出来たり、日帰りでの活動も募集しています。令和6年能登半島地震・令和6年奥能登豪雨 石川県災害ボランティア情報に最新の情報が載っていてこちらから申し込みができます。最後に私がボランティア活動をした団体をご紹介します。「災害NGO結」。寄付も受け付けていますので、何か力になりたいという方はぜひ覗いてみてください。
今回の訪問を通して、素敵な活動をされているたくさんの方々がいることを知りました。誰かの力になりたい、何かしたいという意思で活動ができることは本当に素晴らしいことだと思います。未来への希望であると感じました。自分にはどう関われるのか自分なりの関わり方をこれからも模索していきたいです。
2025年1月22日
前回の武田瑞季が行く#6 石川県能登に行ってきました 前編はこちらからご覧いただけます。
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