The Biggest little Farm

Coen.mg/ 12月 15, 2024/ つぶやき, イベント/ 0 comments

2024年12月12日、アーヤ藍さんが主催する「世界をとどける映画祭」。そのひとつ「The Biggest Little Farm」(ビッグ・リトル・ファーム)の上映会のアフタートークで話をしました。場所は、CINEMA Chupki TABATA

アーヤさんからの質問に答える感じで、多様な生きものが共生する農園の素晴らしさ、その仕組み、難しさなどなど掘り下げました。

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映画の中でキーワードになっていたのが「多様性」。アドバイスをしていたアランは「多様性が農業の簡素化につながる」というのはどういうことですか? 

自然は、自然に様々なことをやってくれます。映画で描かれていましたが、マダガスカルのアグロフォレストリーでも耕さないし肥料や農薬を使うこともありません。それは自然がその役割を果たしてくれているからです。ヒトは、まだまだ自然のことを理解できていなくて、自然の力を十分に活用できていないのだと思います。映画の舞台のApricot Lane Farmsのように、もっと上手に活用できるようになればもっと簡素化できるかもしれません。

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主人公のジョンは、コヨーテのように敵やじゃまもののように思える生き物にも役割があるはずだという思いと、鶏を殺されるなどの現実との間で強く葛藤していたが、これがある意味多様性というもののリアルを考えるときに大事な視点なのではないかとも思います。武末さんはさまざまな現場に通いながら、多様性を守ることの難しさや葛藤を感じてきたことはありますか。

自然の中に邪魔者はいません。今の自然は、何億年もかけて培われてきたバランスの上に成り立っています。その意味で完璧なんです。ヒトもその仕組みの一部なのですが、今は僕たちがこのバランスを崩そうとしている。人類は力が強すぎんですね。他の動物だったら、例えば地球がライオンだらけになったことを想像してください。そうなったとしてもライオンは食べるものがなくなってそのうち数が減ります。そしてまたバランスが保たれるようになるのです。でも、人間はなかなかそういうふうにはならない。だから、本当に自然のバランスが崩れてしまうところまでいってしまわないように、ヒトは自らそのことを認識して自制しなければいけないのだと思います。それが難しいのですが。

映画は「自然とは完璧なんだ」という言葉で〆られます。私たちが地球とともに、あるいは地球の中で生きていくうえで、どういう視線や姿勢にシフトしていくことが大事だと考えますか?

自然は完璧なんです。繰り返しになりますが、自然は、何億年もかけて作られた仕組みの上である程度のバランスを保っています。完璧なんです。繰り返しになりますが、ヒトはその仕組みをまだ理解できていません。本当は自然がやってくれていることがたくさんあるのです。Apricot Lane  Farmsでもそうでしたが、それ以上に、例えば綺麗な空気も水も自然が自然がつくりだしてくれているわけです。ヒトはまだ多様で複雑なこの仕組みを再現することはできません。それなのに、この貴重な自然をあたかもゴミのように壊して捨てている。なんて勿体無い取り返しのつかないことをしているんだ! と思います。資本主義経済社会では、自然の価値は考慮されません。だけどこのままでは本当に自然がなくなってしまいます。僕たちも生きられなくなる。だからもっと自然の仕組みを見つめなければいけないと思います。

マダガスカルのアグロフォレストリーの話をしましたが、日本の里山はこれに似た場所です。僕たちは普段は千葉県の鴨川にいます。いつでも遊びに来てください!

とにかくこの映画は素晴らしいので、多くの方に見ていただきたいと思います。ドキュメンタリー映画ですが、山あり谷ありのストーリーがあって楽しめますし、とにかく生きものたちの映像がとても綺麗で美しいです。何よりも、何かを強烈に主張してくるわけではなく、映画全体を通して感じるほのぼのとした優しい雰囲気が大好きです。

アーヤ藍さんには、彼女の著書「世界を配給するひとびと」の中で、日本から遠く離れた国や地域に、心を寄せ続け、それぞれの表現で伝え続けている5人のうちの一人として紹介していただいています。

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