破壊から創造へ

coen.mg/ 12月 19, 2022/ Newsletter/ 0 comments

Connect & Enjoy #014

先週、千葉の鴨川にある苗目の農園にファームステイしてきました。朝は薪ストーブに火を焚べるところから始まり、ストーブでお湯を沸かしたりパンや牛乳を温めたりして朝食をとり、、、と、丁寧な時間を過ごしてきました。苗目の井上さんは鴨川で里山再生に取り組んでいます。里山の一画の森で赤々と群生する冬苺や木にたわわに実った柚子を収穫してきました。

僕がそんなのんびりした時間を過ごしている間に、カナダのモントリオールで生物多様性条約締約国会議(COP15)なるものが開催されています。Facebookなどを通して現地入りしている知人から毎日レポートが届いています。

COP15では、ポスト愛知目標を採択すべく毎日熱い議論が展開されているそうです。物凄く平たく言ってしまうと、世界中で森林がなくなったり魚が減ったりと環境破壊が止まりませんが、これにどうにかブレーキをかけて逆に自然を増やさなければ、人類が利用できる自然がなくなってしまって僕たちは生き残れないだろう。だからそのための目標を決めようという議論です。

生物多様性がどんどんなくなっている原因の一つに森林破壊が挙げられます。世界の森林は毎年520万haが消失しているといわれています。おおよそ九州と四国を足したくらいの面積です。まじか!というくらい広大な面積の森林が世界からなくなっています。新たな農園を造成するために森を切り開いてしまっていることがその主な原因だそうです。

農業はその他にも、温室効果ガスを出してしまう、化学肥料が過剰に利用されて水を汚染してしまう、農薬の利用によって生き物を殺してしまうなどなど環境を壊しながら行われていることが多い。近代型の農業そしてその先にある食は、かなりの無理をしながら成り立っていることがわかります。今を切り取ると問題なさそうですが、長い目で見るとすごく危うい仕組みだといえます。だからこれを変えていかなければいけない。そのための議論も、COP15では行われています。

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と、そんなことをいわれても、森林破壊とかCOP15とかなかなかに遠い世界の話に感じますよね。でも、新しい農業のあり方を模索する動きは実は身近にたくさんあります。例えば日本は「みどりの食料システム戦略」というものを掲げて、農林水産業のCO2ゼロエミッション、化学農薬の使用量半減、化学肥料の3割減、有機農業を25%に拡大などの目標を設定し、国をあげて農業のあり方を変えていこうとしています。IT等の最新技術を駆使して効率を高めようとする人たちもいれば、もっと自然に寄り添った農業のあり方を模索する人たちもいます。冒頭の苗目の井上さんもそう。マダガスカルには、アグロフォレストリーという森林と農業を共存させるようなやり方を広めようと頑張っている人たちがいます。私たちが取引をする協同組合です。

そういった挑戦をしている人たちが育てた野菜や果物、香辛料、それを加工したり使ったりした製品はお店やネットショップに並んでいます。だから、お店で買い物をするとき、レストランなんかで食事をするとき、手にするもの口にするものを少し意識して選ぶことで、農業のあり方を変えていこうとする創造的な取り組みを応援することができます。破壊から創造へ。食べることで課題解決に貢献する。これって楽しくないですか? SDGsのブームを受けてそういった製品が身の回りに増えてきているもと感じます。でもまだまだ少ない。

Co•En Corporationは、アグロフォレストリーで栽培されたバニラなどをレストランやパティスリーなどに届けることを通して、そんな製品を少しでも世の中に増やす存在になりたいと思います。ですので、より多くのシェフ、パティシエの皆さんにアグロフォレストリバニラを使ってもらえるように、2023年も頑張ります。

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2022年12月19日
合同会社Co・En Corporation
代表 武末克久

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