ホーム » Vanilla » Rainforest Vanilla 熱帯雨林をまもるバニラ マダガスカルの北東部に位置する街、Maroantsetra(マルアンツェーチャ)。この街の周辺には、豊かな熱帯雨林が広く残存しています。特にMasoala(マスアラ)半島は、世界的にも貴重な動植物の宝庫として有名な場所です。 MaroantsetraからTamatave(タマタブ)に向かう海岸線沿いと、そこから内陸にかけての場所に多くのバニラ農園があります。レインフォレストバニラは、この地域で生産されています。 Co•En Corporationが取引をする加工/輸出業者は、現地の農家が集まる協同組合数団体から直接バニラを購入しています。加工/輸出業者は、協同組合にバニラなどの栽培技術を指導。より自然環境に近い農法であるアグロフォレストリー*を奨励しています。また、協同組合を束ねてオーガニック認証を取得するなど、付加価値を生み出す努力もしています。彼らが中心となって、この地域の農家の発展と森林保全を後押ししているのです。 *アグロフォレストリーについては、Agroforestry Vanillaのページをご参照ください。 熱帯雨林の破壊と保全 Maroantsetra周辺の熱帯雨林も、他の地域と同様に伐採が進行しています。マダガスカルでは、木炭や薪がエネルギー源として利用されていて、人々はこれで料理をしたり暖をとったりしています。そのため、木炭にするための木や薪を得るために森が切り開かれてしまうのです。また、焼畑による農地の開発も、森林破壊の原因になっています。 熱帯雨林を保全するために、国際機関やNGOなどによるプロジェクトがいくつも展開されています。これらのプロジェクトでは、人々の生活と森林保全を両立させることが重要視されています。植林や、保護区を拡大させたり管理を充実させるなどの取り組みと同時に、協同組合を組織するなどして、農家に指導を行なったり、市場(しじょう)へのアクセスを容易にするなどして、農家が持続的に安定した収入を得る仕組みづくりも進められています。人々が経済的に貧しいままだと森林伐採を食い止めることが難しいからです。 そんな中で、現地の加工/輸出業者が、ビジネスを通してこのような取り組みを実践していることに強く感心しました。これが、この企業と取引をすることを決めた理由です。彼らが農家と一体となって生産するレインフォレストバニラは、高品質なだけではなく、マダガスカルの豊かな熱帯雨林を保全することに貢献しています。 主役は農家と協同組合 高度な加工技術に加え、レインフォレストバニラの高い品質を支えているのは、バニラを栽培する個々の農家であり、彼らを束ねる協同組合です。 マダガスカルのバニラは、一般的に家族で営む小規模の農園で育てられています。ここMaroantsetra周辺も同様です。個々の農家にアプローチして、栽培の技術などを伝えるためには、協同組合のような仕組みが効果的に働きます。 しかし、協同組合の役割はそれだけではありません。より重要なのは、個々の農家が協同組合を通してマーケット(買い手)にアクセスできるようになることです。協同組合などに参加していないと農家は情報が乏しく、ともすると、悪意を持ったコレクターに騙されて、安い値段で買い取られたりすることもあるとままあると聞きます。 農家と加工/輸出業者が協同組合を通して直接つながることで、余計な仲介業者が間に入ることがなく、農家はより多くの収益を得ることができます。また、加工/輸出業者はトレースが取れた高品質のバニラを安定的に手に入れることができます。 Co•En Corporationは、生産者の顔が見える製品にこだわっています。それは、このような素晴らしい取り組みを応援したいと考えるからです。そして何より、バニラがどんなところで育てられているのか、そして、それを育てる農家や協同組合、加工/輸出業者が、どんな想いとかこだわりを持ってバニラをつくっているのか。それを、バニラを使うシェフやパティシエ 、そしてその料理を味わう人に伝えたいからです。 バニラはこんな人たちが育てている!! 農家や協同組合へのインタビューはこちらからご覧ください。 協同組合の設立メンバーと今のプレジデント(右から2人目)。最右が協同組合を指導しているRabearinala。 ごちゃ混ぜに多品種を栽培するアグロフォレストリー 農園では、バニラだけではなく、コーヒー、クローブ、ライチ、ココヤシ、アブラヤシ、アボカド、マンゴスチン、オレンジ、パイナップル、シナモンなど多くの種類の作物が混ぜこぜに育てられている多様性豊かな農園です。こうすることで、年間を通して何らかの収穫があり、収入が安定します。また、ある作物の価格が暴落したとしても、他の作物で減った収入を補うことができます。天然のセーフティーネットというわけです。 農園では、肥料や農薬は使用されません。下草を刈ったり枝を選定したりはしますが、基本的にあるがままに育てられています。高温多湿のマダガスカルの豊かさがなせる業かもしれませんが、環境への負荷が少ない自然と調和した農法といえます。自然の中で伸び伸びと育ったバニラが、レインフォレストバニラの甘い香りの源なのです。 アグロフォレストリーについては、こちらのページもご覧ください(アグロフォレストリバニラのページへ)。 ある農園の入り口。綺麗に整備されています。緑が豊かでしょ! 農園で栽培されている作物たちの写真です。 Avocado Oilpalm Green Vanilla Orange Sonambo 農家や協同組合へのインタビューのページへ