空が晴れたら

coen.mg/ 5月 18, 2023/ Newsletter/ 0 comments

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手元に「和ハーブ図鑑」という本があります。寝る前なんかにパラパラとめくったりしています。本には、日本に自生する130以上の植物が掲載せれていて、それらの効能やこれまで日本でどのように食されたり活用されてきたのかが写真とともに簡潔に解説されています。知らない(もしくは目にしていても認識していない)草花も多いですが、見たことあるなと思うものや、普段よく見るようなものもあります。ドクダミなんかがそうです。ドクダミは日本三大薬草の一つで、殺菌作用や解毒、むくみ解消、利尿や便秘改善などの効能があるそうです。今でも身近に目にするのは昔から薬草として家の周りに植えられていたからだろうとのこと。また中には、オオバコのように「え、これ食べられるの!?」 というのもありますし、そういえば子供の頃はよく目にしていたけど最近見ないなあというものもあります。この本を読むと、柑橘などの果実や山菜など今でも馴染みがあるもの以外にもたくさんの植物を私たち日本人は利用していたことがよくわかります。昔から伝承されてきた知恵ですよね。でも同時に、それらの知恵が失われつつあることも実感します。自分自身がこの体たらくですから。

東京都心では多様な植物を目にすることは難しいかもしれませんが、少し郊外に出るとまだまだ山野は残っていて、そこではさまざまな植物が茂っています。何の知識もなくその緑を見たら、ただの草ぼうぼうの荒地に思えるかもしれませんが、植物に詳しい知識があれば、もしかしたらそこは宝の山に見えるかもしれません。

今年のゴールデンウィークの前半は、千葉県鴨川の苗目にいました。新しくオープンしたNaeme Farmers Standのお手伝いという名目で1週間弱お邪魔していました。主な目的は、ここに私たちの製品も置かせてもらっているのでそれを販売しながらお手伝いすることでしたが、苗目が再生している里山の山地の植物を調査するためでもありました。残念ながら雨の日も多かったのですが、空が晴れた日に山に足を運びました。植物調査って、面白いですね。ひとつひとつの草花に注目しながら歩くと、こんなにもたくさんの植物があるのかと思いますし、花だけではなくて葉っぱの模様や開き方なんかにも目がいきます。春ですので、新芽を伸ばすものも多くて瑞々しさも感じました。

調査ですので、最終的にはどのような植物が生えていて、それらがどのように使えそうなのかをまとめることが目的です。現地ではとにかく写真を撮って、後からアプリなどを使って種(しゅ)を特定しようと思っていたのですが、これがなかなか難しい。まず植物を同定するアプリがうまく機能しませんでした。ほとんどヒットしません。ですので、詳しい方に相談するか、図鑑などを見て特定していくしかないだろうと思っています。予想以上に時間がかかりそうですが、この作業は季節ごとに続けていきたいと思っています。

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そんなゴールデンウィークを過ごした後、現実世界に戻ってきてからふと、NHKの朝の連続テレビ小説「らんまん」を目にすることがありました。今回は日本の植物学の父といわれる牧野富太郎氏がモデルです。ドクダミを手にしながら「雑草という草はないー!!」と熱弁をふるい、ドクダミの効能を語っていました。なんとすごいタイミング。牧野博士は新種の植物をたくさん発見したことでも有名ですし、日本各地で受け継がれてきた植物に関する膨大な知恵を文書にまとめた人でもあります。以来、毎朝の楽しみが増えました。

2023年5月18日
合同会社Co・En Corporation
代表 武末克久

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