共に生きろ。

coen.mg/ 2月 19, 2024/ Newsletter/ 0 comments

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森とタタラ場、双方生きる道はないのか? 

映画もののけ姫の中でアシタカが放つ問いです。皆さんはどう思いますか? 人間が自然を軽く破壊する力を持った今、私たちは、森と人とが共に生きる道を強く意識しながら生きていかなければならなくなりました。

先日、千葉県鴨川の里山で梅の花を採取させてもらいました。僕は花摘みをしたのはおそらくこれが初めてでしたが、すごく大変でした。香りが強い咲きたての綺麗な花を選んで摘みますので欲しい量を集めるのには途方もない時間がかかります。摘んでも摘んでも首から下げた籠はいっぱいになりません。でも、とても贅沢なものでもありました。梅の花の香りに包まれながら、梅の花の可愛い表情を愛でながら、鳥の囀りを聞きながら、春を感じながらの作業でしたから。

摘んだ梅の花はバニラと一緒にシロップにしました。梅の花の春の香りを閉じ込めたシロップ。苗目さんとのコラボ製品です。バニラが苦味をとり、花の香りを丸くし、甘さに深みを与えています。今年も素晴らしい仕上がりです(2月最終週からの販売です。予約を受け付けていますのでご興味ある方はオンラインショップでご予約ください。ちなみに苗目さんではひと足先に販売を始めていますので、待てない! という方はこちらからお求めください)。

鴨川の里山で梅の花を摘んでから4日たった今、今度はボルネオ島西カリマンタンの森に、イリッペナッツという木の実の収穫のため向かっています。イリッペナッツをつけるのは、日本ではラワン材としてコンクリートの型を取る木枠に大量に使われてきたテンカワンという大きな木。ボルネオの熱帯雨林を象徴する大木です。厄介なことにイリッペは3、4年に一度しか花をつけず従って結実もそのタイミングになります。今年はちょうどその年にあたり、今まさにその収穫の真っ只中です。収穫といっても木は高すぎ~♪で登れませんので、地面に落ちた実を拾うことになります。このイリッペナッツから取れる植物油はイリッペバターと呼ばれます。この植物油を有効利用することでこの象徴的な大木を守り、ひいては減少著しいボルネオの熱帯雨林を残そうとしている人たちが現地にいます。僕たちの役目はたくさん使ってもらうためにイリッペバターを日本に持っていくこと。そのために現地の情報を集めにいきます。現地の様子はインスタグラム等で発信しますのでご注目ください。

森の価値は梅の花や木の実だけではありません。これらはあくまでも人が利用しやすいものであって、森の恵みの一つでしかありません。でも、みなさんご存知の通り、私たちが綺麗な水や空気を利用して生きていけるのは森があるおかげです。この絶大な森の価値は普段生活する中では認識することがとても難しくて無視されがちですが、本当は私たちが何よりも大切にし、次の世代に引き渡し続けなければならないものでしょう。「森とタタラ場、双方生きる道はないのか?」 アシタカの問いに、僕は「ある!」と答えたい。そしてあの2人がやったように私たち人間の手でシシ神様に首を返したい。僕たちが今、梅の花を摘んだり、木の実を絞って油をとったり、マダガスカルの森からバニラを持ってきたりしているのは、その道を模索するためです。森にある素材を活用し販売することでその地域に経済的な価値を還元する。そうすることでその森が守られる。僕たちはそう信じています。この挑戦は、古いようで新しい、とても楽しくて充実したものです。より多くの方と一緒に歩いていきたいと思っています。

そういえば、苗目さんがこれまでにない新しい公園づくりに挑戦しています。耕作放棄地を公園に変える。農園と公園を混ぜ合わせたようなその場所で、遊び相手は土や草木、そしてそこに住む昆虫や動物たちです。そこでは子供たちが自然と触れ合いながら遊び、大人たちがときには農作業をしながらときにはお茶でも飲みながら集う。地元の人たちが、そして域外の人たちも集まる場所を目指しています。新しい里山の形です。詳しくはプロジェクトページをご覧いただけると嬉しいです。

2024年2月19日
合同会社Co•En Corporation
代表 武末克久

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