森の価値は梅の花や木の実だけではありません。これらはあくまでも人が利用しやすいものであって、森の恵みの一つでしかありません。でも、みなさんご存知の通り、私たちが綺麗な水や空気を利用して生きていけるのは森があるおかげです。この絶大な森の価値は普段生活する中では認識することがとても難しくて無視されがちですが、本当は私たちが何よりも大切にし、次の世代に引き渡し続けなければならないものでしょう。「森とタタラ場、双方生きる道はないのか?」 アシタカの問いに、僕は「ある!」と答えたい。そしてあの2人がやったように私たち人間の手でシシ神様に首を返したい。僕たちが今、梅の花を摘んだり、木の実を絞って油をとったり、マダガスカルの森からバニラを持ってきたりしているのは、その道を模索するためです。森にある素材を活用し販売することでその地域に経済的な価値を還元する。そうすることでその森が守られる。僕たちはそう信じています。この挑戦は、古いようで新しい、とても楽しくて充実したものです。より多くの方と一緒に歩いていきたいと思っています。