Kurumiru/ 1月 11, 2023/ つぶやき, アグロフォレストリー通信/ 0 comments
マダガスカルレポート第3弾。
今回はいよいよアグロフォレストリーについて紹介します!
私ごとではありますが、生き物の保全に興味があった私は、アグロフォレストリーに興味を持ってCo・En Corporation に入りました。アグロフォレストリーが人と生き物と環境が共生できる素晴らしい形だと思ったのです。
初めてみる現場のアグロフォレストリー。どうだったのかその様子をお伝えしたいと思います!
まずマダガスカルの実際の森林の状況ですが、やはり森林が伐採されている土地が多く目立ちました。伐採した木を木炭にして使ったり、焼畑農業をしたりするため、マダガスカルでは森林伐採が広くおこなわれています。私有地とそうでない場所で森林の様子がはっきりと分かれている光景に、違和感を強く感じました。
まばらに木が生えた禿山と緑の山の対比。写真右奥が私有地でここだけ伐採されずに残っています。
なぜ植林しないの?と聞くと現地の人はわからないといいます。
このままでは森が減りつつある一方なのではないかという危機感を感じました。
マダガスカルの森林の現状を知ったところで、アグロフォレストリーに到着です!
まず1つ目に分かったことは、アグロフォレストリーといってもさまざまな形があるということです。
バニラがメインのアグロフォレストリー、しっかり整備されたアグロフォレストリー、本当の森のように雑多に様々なものがなるアグロフォレストリー・・・。 農家によってさまざまな形のアグロフォレストリーがありました。そんな中でもすべての農家に共通しているのは自分の農地に誇りを持っていること。誰もが誇らしげに農地を見せてくれる様子になんだか嬉しくなりました。
2つ目に分かったことは、アグロフォレストリーがきちんと農家の収入源として機能しているという点です。例えば、タロイモは8ヶ月で収穫ができて、その次にバナナが実って、3年後にバニラがなって、というように、収穫できるようになるまでの年数が違う植物を交互に植えることで、安定的に収入が得られるようになっていました。
話では聞いていたけれど、それで本当に生計が成り立っているのかという疑問がありました。しかし実際に収入が安定、生活が向上したと現地の人の口から聞いて、そう感じることができたのは大きかったです。
一方で課題もわかりました。それは農家のモチベーションを保つのが大変であるという点です。
森を作るというのは大変時間がかかるもの。木材として使えるアカシアが成長するのには30年かかります。その日その日の食事を考えなければならない人たちにとって、3年後に実るバニラですら待ち遠しい存在なのです。
農家が一定の成果を得られるまではモチベーションを鼓舞する存在が必要だということがわかりました。農地の所有者の理解を得て、モチベーションを保ち続けること。現地の指導者はそれに一番苦労をしていました。
確かに、目の前のことで精一杯なのに未来に投資しろというのはなかなか難しいものです。だからこそ儲かる実績を作って、周りの農家に、お!この方法はいいぞ!と思わせる必要があるのだと言っていました。
1年目の農園です。交互に色々な種が植えられている様子が伝わるかと思います。
そして私が認識するアグロフォレストリーと、現地の人にとってのアグロフォレストリーに少し違いがあることもわかりました。
前回のマダガスカルレポートでも書きましたが、現地の人にとっては収入が得られることが一番です。そのため、バニラやクローブ、シナモンなど海外に売れる産物がたくさん植えられています。もちろん農園によっては、バニラやクローブだけでなく、堆肥にするための植物や、現地で食べる果物も植えられています。
しかし森というのはさまざまな種が多様に生えていなければ、生物多様性を保全したり、森の本来の機能を発揮したりすることができません。
マダガスカルにはいい香りがしたり、薬草になったり、面白い固有の植物がさまざまに生えています。しかしそれが儲けに繋がらなければ、農家にとって植える意味がない。マダガスカルの固有種の面白さを私たちが発見して、現地の人にとって儲かるものとなれば栽培してくれるのではないかと考えます。
アグロフォレストリーや現地の植物にもっと詳しくなって、Win-winな関係を築ける仕組みを作っていきたいと思いました。
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