アイアイをまもる切り札

coen.mg/ 1月 18, 2023/ Newsletter, つぶやき/ 0 comments

Connect & Enjoy #015

マダガスカルの生物多様性を元のレベルに戻すためには300万年かかる!! という研究結果をイギリスBBCが報道しています。300万年って…ほぼ不可能と感じさせる数字です。

出典:”Biodiversity: Rising rate of extinction to wildlife in Madagascar” (BBC: 2023.1.13)

報道によると…

  • マダガスカルは多様な生き物の宝庫である。例えば野生のキツネザルが生息するのは世界中でマダガスカルだけである。
  • 一方で農地の拡大などによる森林伐採によって生息地が減少している。
  • マダガスカルに生息した哺乳類のうちこれまでにすでに30種以上が絶滅したと考えられている。
  • 現在、219種の哺乳類が生息しているが、そのうち128が絶滅の危機に瀕している。
  • 森林減少を抑えないとさらに多くの種が絶滅するだろう。
  • かつての生物多様性にまで回復するのには300万年かかるだろう。

マダガスカルは、動物も植物も含め多種多様な生きものが今なお多く生息する世界でも貴重な場所です。野生のアイアイがすむのもこのマダガスカル。しかしそのマダガスカルの豊かな自然でさえ、すでに相当が失われ現在進行形で姿を消していっている。その深刻さを数字で示す研究結果だと思います。

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奇妙な外観と赤い羽が鮮やかなキリンクビナガオトシブミ。マダガスカル固有種の一つ

報道にあるように、生きものの絶滅を食い止めるための鍵は森をまもることにあります。一方で、マダガスカルの人口は3000万人で増加率は2.4%. 今後も増えていくと予想されています。そのため必要となる食料は増えますので、それを補うために農地を増やしていかなければならないでしょう。ますます森林伐採の圧力は強くなりそうです。

食料生産を増やしつつ森をまもるためには、今ある農地での収穫量を向上させることが必要です。日本はJICAを通してコメの収量をあげるためのプロジェクトを現地で長年展開しています。ただこういった活動に加えて、失われた自然を回復させたり、自然と人の生活(農業)が共生するようなやり方を模索することもとても重要です。そこで注目したいのがアグロフォレストリーです。そしてそれを応援しているのが私たちのアグロフォレストリバニラです。

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アグロフォレストリーは、多種多様な植物が育つ森のような農園です。Co•En Corporationは、現地でアグロフォレストリーを広めようと頑張っている人たちを応援するためにアグロフォレストリーで栽培されたバニラの販売先を広げるべく、輸入・販売しています。品質には自信を持っていて、多くのパティシエの皆さんに喜んで使っていただいていますが、このバニラが持っているそれ以上の特別な価値、つまりアグロフォレストリーで栽培されているという価値をより多くの人に知ってもらいたいという強い願望があります。

とはいえ、アグロフォレストリーという言葉は日本ではまだまだ知られていません。そこで、情報発信の一環としてアグロフォレストリーのことを伝えるシリーズ「アグロフォレストリー通信」をこのNewsletterでお届けすることにしました。今回から連載しますので、読んでいただけると嬉しいです。

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さて、年始ということで最後に少しだけ。今年の漢字には「萌」を選びました。「萌」には、草木が芽吹くという意味があります。自然環境が本来の姿にまで回復するためには途方もない年月がかかるといわれてはいますが、そのきっかけとなる新しい緑がマダガスカルでたくさん萌えますように。そして、私たちの事業もまた萌やしたい。そんな思いでいます。

2023年1月20日
合同会社Co・En Corporation
代表 武末克久

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