アグロフォレストリー通信#2 森林の必要性

Kurumiru/ 2月 22, 2023/ アグロフォレストリー通信/ 0 comments

アグロフォレストリー通信#02

アグロフォレストリー通信#01では、アグロフォレストリーとは森の中で農業を行う方法だということがわかりました。農業をやりながら、森を作っていくことができることがアグロフォレストリーの大きなメリットです。

世界では、森林の減少が問題になっていて、植林活動がされている地域もあります。そのことから、森林が大切であるということはなんとなく分かります。

ではなぜ森林が大切なのか、森林がどんな役割を持っているのか考えたことはあるでしょうか?
今回はそもそもなぜ森林が必要なのか、森林の必要性を見ていきたいと思います。

まず、森林には大きく8つの機能があります。

1. 土砂災害防止/土壌保全
木は大地に根をはります。木が生え、草が生え森林が存在することで、土砂崩れを防ぎ、土地を保全します。

2. 水源涵養
長い年月をかけて作られた土壌には、雨を吸い込んで溜める機能があります。水を綺麗にし、雨が降っても川の水は急激には増えず、森林に蓄えられます。

3. 生物多様性保全
森が生き物を育み、生き物が森をつくります。様々な個性の生き物が存在することで、生態系のバランスが保たれます。

4. 地球環境保全
木や植物の光合成により森林は二酸化炭素を吸収し、酸素を排出します。気候変動の要因となる地球温暖化の緩和に貢献します。

5. 快適環境形成
風や騒音を防ぐ効果があります。また大気を浄化する機能として、塵埃や汚染物質を吸着、吸収する機能もあります。

6. 保健・レクリエーション
森林には癒しの効果があり、気持ちを安らげることができます。また、釣りや登山、きのこ狩り、狩猟やバードウォッチングなど趣味や娯楽の場となります。

7. 文化
春の桜、秋の紅葉などの景観は、文化、芸術、デザインへのインスピレーションや、地域の伝統文化の形成に役立ちます。

8. 物質生産
木材は家や家具などの材料になり、燃料にもなります。また、紙などのパルプ原料としてもつかえます。その他にも、きのこや果物、山菜といった、森林の中で育つものが食料として供給されます。これらの資源は、適切に森林を管理することにより、半永久的に繰り返し生産ができる“循環型資源”として私たちの生活を支えています。

このように森林は、人間に必要不可欠な水、酸素だけでなく、様々な恩恵を供給しています。森林がなければ人は生きていけません。
それを踏まえた上で、世界の森林の現状をみていきましょう。

世界の森林面積は、2010年から2020年の間に世界全体で年平均470万ha減少しました。
1分間で東京ドーム約2個分、1時間でおよそ116個分の広さの森林が地球上から消えている計算です (FAO)。
特に、南アメリカ、アフリカ、東南アジアなどの熱帯の森林を中心に、減少面積が大きくなっています。

森林の減少・劣化の原因は様々です。
主な原因としては、プランテーションなど農地への土地利用転換、違法な伐採、自然の回復力に配慮しない非伝統的な焼畑農業、燃料用木材の過剰な摂取、森林火災などがあげられます。

一方で、世界の人口は年々増加傾向にあります。そのため、食料生産を増やしていく必要性がより高まってくることが予想されます。しかも、森林を保全しながら。

それを両立できるのがアグロフォレストリーです。

次回はアグロフォレストリーの可能性について考えていきます!

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