マダガスカルバニラのダイナミズム

Coen.mg/ 2月 19, 2025/ Newsletter/ 0 comments

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マダガスカルのマナナラという街でこの記事を書いています。今回、幸運にもフランスの友人の好意を受けて小型のチャーター機で移動しました。前回はバイクの後ろに乗って道なきみちを1日かけて移動した、その悪路をひとっ飛びです。日本からお客さんを連れて行くことなど不可能に近いと思っていましたが、飛行機で飛べば陸路で2泊3日かかる道のりがほんの2時間ほどです。搭乗できる人数に制限があるし、そもそも日本からマダガスカルまでが遠いという問題はありますが、これであれば一緒に行けなくもないなと思い始めています。産地まで行けば、生産者と話ができるし、アグロフォレストリーもバニラの加工場も見られる(ビーチでゆっくりしたりもできます)。急速に変わりつつあるマダガスカルのバニラの産地を目撃したいという方、挙手をお願いします!

小型機からマナナラの海を見下ろす。もうすぐ着陸

そう、バニラの産地は大きく変わろうとしています。今回の訪問の目的は、生産者や加工・輸出業者など私たちの現地のパートナーを訪問して彼らと話し現場を見て、その変化を肌身で感じることにあります。この文章を書いている今まさにその真っ只中にいます。

私たちにバニラを提供してくれているサプライヤーはアグロフォレストリーを奨励しています。アグロフォレストリーで栽培されるグリーンバニラやクローブなどの作物を生産者から購入し加工して輸出することで集落の収入を持続的に支えようとしています。しかもそれだけではなく、地域全体を利するインフラ整備も行っています。例えば先日訪問した協同組合ではマングローブの再生ブロジェクトを進めています。マングローブの森を再生することでサイクロンなどによる水害を防ぐこともできるし、そこで取れる水産物が彼らの食料や収入源になります。生産者の収入の向上と安定だけではなく、自然環境の保全と社会保障の整備を目指しています。こういった取り組みをアメリカ政府など公的機関(トランプ政権の政策で支援が止まっていますが)の支援を活用するだけではなく、欧米の輸入業者やその先の香料メーカーとか食品メーカーの支援を受けながら行っています。

アグロフォレストリーを案内してくれたPatirice。クローブの木を背に。今年は豊作になりそうだと喜んでいました。

バニラビーンズの価格を安定させようと努力する動きもあります。マダガスカルのバニラの価格は2023年〜2024年にかけて急落しました。特に2023年は生産者にとってはかなり厳しいレベルまでバニラの原料となるグリーンバニラの価格が低下しました。2024年は生産量が減ったこともあり価格は幾分か戻りましたが、生産者にとってはまだ満足できる価格にまでは回復していません。一般的な状況はこんな感じですが、バニラ産業の持続可能性を目指すSustanable Vanilla Initiativeに加盟する企業は、バニラの加工・輸出業者に、生産者からより高い価格でグリーンバニラを購入するよう求めています。

バニラの加工・輸出業者の考え方や実際の行動は、このような欧米の企業からの要請と支援を受けて大きく変わってきています。経営者の世代交代が進んでいることも影響しているといわれています。生産者から加工業者、そしてパティシエ、シェフ、食品メーカーとつながる関係者が一体となって、関わるすべての人に利益をもたらす仕組みをつくりあげようとする。そんな動きがマダガスカルで起こっています。そして実は、私たちCo•En Corporationと私たちからバニラビーンズを購入してくださる方々もその一員なのです。この価値を、そして僕のこの興奮をどうやって日本の皆さんに伝えたらよいのでしょうか!?

バニラを生産する協同組合のメンバーたち。アグロフォレストリーバニラの物語は彼らから始まります。冒頭の写真はグリーンバニラ。Sandrakatsyは最高品質のグリーンバニラの産地として注目され始めています。

2025年2月19日
合同会社Co•En Corporation
代表 武末克久

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