アグロフォレストリー通信#01では、アグロフォレストリーとは森の中で農業を行う方法だということがわかりました。農業をやりながら、森を作っていくことができることがアグロフォレストリーの大きなメリットです。
世界では、森林の減少が問題になっていて、植林活動がされている地域もあります。そのことから、森林が大切であるということはなんとなく分かります。
ではなぜ森林が大切なのか、森林がどんな役割を持っているのか考えたことはあるでしょうか?
今回はそもそもなぜ森林が必要なのか、森林の必要性を見ていきたいと思います。
まず、森林には大きく8つの機能があります。
1. 土砂災害防止/土壌保全
木は大地に根をはります。木が生え、草が生え森林が存在することで、土砂崩れを防ぎ、土地を保全します。
2. 水源涵養
長い年月をかけて作られた土壌には、雨を吸い込んで溜める機能があります。水を綺麗にし、雨が降っても川の水は急激には増えず、森林に蓄えられます。
3. 生物多様性保全
森が生き物を育み、生き物が森をつくります。様々な個性の生き物が存在することで、生態系のバランスが保たれます。
4. 地球環境保全
木や植物の光合成により森林は二酸化炭素を吸収し、酸素を排出します。気候変動の要因となる地球温暖化の緩和に貢献します。
5. 快適環境形成
風や騒音を防ぐ効果があります。また大気を浄化する機能として、塵埃や汚染物質を吸着、吸収する機能もあります。
6. 保健・レクリエーション
森林には癒しの効果があり、気持ちを安らげることができます。また、釣りや登山、きのこ狩り、狩猟やバードウォッチングなど趣味や娯楽の場となります。
7. 文化
春の桜、秋の紅葉などの景観は、文化、芸術、デザインへのインスピレーションや、地域の伝統文化の形成に役立ちます。
8. 物質生産
木材は家や家具などの材料になり、燃料にもなります。また、紙などのパルプ原料としてもつかえます。その他にも、きのこや果物、山菜といった、森林の中で育つものが食料として供給されます。これらの資源は、適切に森林を管理することにより、半永久的に繰り返し生産ができる“循環型資源”として私たちの生活を支えています。