マダガスカル訪問記2023 vol.0

coen.mg/ 9月 3, 2023/ つぶやき/ 0 comments

今回の出張もとても充実していたなというのが、まずは思い浮かぶ感想です。マダガスカルに通い始めてから6年が経ちますが、いまだに新しい発見や気づきが多くあります。毎回思うのですが、 やっぱり行って良かったなと。

2023年7月5日に日本を発ち、翌月8月23日に帰国しました。今回はこれまでの中では1番長く1ヵ月半ほどの滞在となりました。 今回の訪問の主な目的は、マダガスカルにおいて新しいプロジェクトを準備することでした。 このプロジェクトは、実は、昨年の8月にマダガスカルに行った時から話が始まっています。それから1年間、オンラインで現地とのやりとりを繰り返してきたのですが、なかなかスタート地点に立つことが出来ませんでした。このプロジェクトを動かすというのが、今回の出張で一番達成したいことでした。

その他に、重要な任務がもう一つありました。それは、日本のバニラ生産者からの依頼を受けて、彼らに対して現地でバニラの加工の研修を行うというものでした。取引先の協同組合が行うバニラのキュアリング工程に研修生として参加いただき、加工のやり方を学んでいただきました。 私自身も、バニラの加工については詳しく見たことがありませんでしたので、とても勉強になりましたし、 たくさんの発見がありました。

新たな生産地や加工場にも訪問をしました。これまで、交通の便が悪くなかなか行けなかったのですが、今回は意を決して現地まで足を伸ばすことにしました。大げさではなく道なき道を行った先にある村では大歓迎を受けました。また加工場の様子は今でも強く印象に残っています。とても素晴らしかったのです。 これまでにも増して、彼らのつくるバニラを日本のお客様に届けたいと強く思いました。

その他にも、いくつかの新しい試みをこの訪問では行いました。例えば、いつものようにアグロフォレストリーの農園を視察したのですが、今回は在来種の混植に注目しました。アグロフォレストリーといえど 換金作物が植えられることも多いのですが、従来からその地に生える在来の植物を植えることが豊かなアグロフォレストリーを広めるには不可欠だと考えているからです。ただ、作物の収穫効率を考えると、在来種を植えることを推奨するのは難しい。この課題にどのように向き合うのか、それを考えるのも今回の訪問の1つの目的でした。

バニラを使ったスイーツを料理して、生産者や協同組合の人たちに振る舞ったのも新しい試みでした。ガスが通ってない中で、七輪を使っての料理は不安でもありましたが、結果的にはおいしいものができて皆さんに喜んでいただいけてとても良かったと思っています。将来的には、日本のパティシエの皆さんを現地にお連れして、本物のおいしいスイーツを作っていただきたいと思っていますが、その可能性を探ることができたと思っています。

また、非常に大きな意味があったと感じたのは、バニラの取引価格の変動をタイムリーに目撃したことです。今年の5月にバニラの輸出価格に関する規制が撤廃されたことを受け、バニラの価格が大きく変動しています。このことは、まずはマダガスカルの生産者に大きな影響を与え、そして加工業者、私たちのような流通業者にも影響します。そして、その影響はマダガスカル以外の国のバニラ生産者にも波及するだろうと考えられます。まさにその震源地に立っていました。

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