マダガスカル訪問記2023 vol.3 | 良きパートナーになる

coen.mg/ 9月 18, 2023/ つぶやき/ 0 comments

村に近づくにつれ、何やら歌ったり踊ったりしている大勢の人たちが目に入ってきました。案内をしてくれているSantatra(サンタチャ)に、「今日はお祭りでもやっているのか?」 と聞くと、わからないという。やがて僕を後ろに乗せたサンタチャのバイクはその群衆の前に止まったのです。すると歓声が一気に膨れ上がり、みんながこっちを見ています。どうもこの人たち、僕らを待っていたみたい。

バイクを降りると僕たちは青の群集に囲まれて、首飾りをかけられる。何かを期待する空気に、仕方なく(というと失礼だけど、まだ気持ちがついていっていないからこの時点ではこう表現せざるを得ない心境)踊ってみる。するとまた大歓声が起こる😅 というような感じで、歌と踊りに流されながら集落までご案内されました。集落では、2時間ほど歌ったり踊ったりが続いた後に、協同組合のプレジデントや村長さんの挨拶が行われました。バニラの価格の急落にともない収入が減る中で、子供たちをどうやって学校に通わせるかといった訴えのような内容が主だったかと思います。ただその中で特に印象に残ったのは「私たちは良きパートナーだ」という言葉でした。もしかしたら、今の窮状になんとか手を差し伸べてほしいという意図で使われた言葉だったかもしれません。でも僕にはもっと深い意味が込められているように感じたのです。

そして順番は僕にも回ってきました。何を話したらいいのか…マダガスカルの歌を歌って感謝の意を伝えるとともに、次のように話をしました。

「大きな価格変動の波の中で、今年は特にきつい年になるだろう。だけど、これは明るい将来のスタート地点である。3年後、5年後に笑っていられるように、とにかく今はいいバニラを作り続けてほしい。いいものを作り続ければ、それが信頼につながって、多くの人たちに選ばれる存在になれる。バニラの価格が上がってきたときにもそんな存在でい続けるために、とにかく今は腐らずに頑張ってほしい。」そんな話をしました。これは、言い換えれば僕自身の宣言でもあります。

「僕はあなたたちのバニラを買い続ける。そしてマーケットを拡大させる。一緒に笑おう。」

価格がつかない中で、ここぞとばかりに安い価格で大量に買い求める人たちもいるかもしれません。条件が良いところを選んで毎年調達先を変える人たちも多いかもしれません。その会社の短期的な利益やお客様により安価な製品を届けることを考えるとこれが正解かもしれません。でも、Co•En Corporationは、もっとウェットな関係性を大切にしたいし、より長い視点で物事を見ると、むしろそちらの方が生産者だけではなくお客様にとっても、有益だと信じています。

「良きパートナー」とは、生産から販売までを分業しながら、一緒に良いバニラを届け続ける仲間たちだと思います。彼らとであれば、良きパートナーになれるだろうと確信しますし、僕の先にもまた、思いを共有する良きパートナーを増やしていきたいと思います。

スピーチの後は、ゴザを広げての大食事会でした。バナナの葉っぱのお皿の上にご飯が盛り付けられ、魚の素揚げや牛肉のスープ、果物が並びます。おもてなしをする習慣があるとはいえ、初めての人にこんなにしてくれるとは。正直なところ嬉しさよりも驚きを覚えましたが、歓待されたことの喜びが後から後から感謝とともに湧き上がってきました。さて、食事と団欒も終わりいよいよ帰る頃にもなると、彼らと心が不可分になるのを感じました。後ろ髪をひかれながら、高揚する気持を抱えながら、来たときと同様に歌と踊りで送り出されたのでした。

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