2017年〜2018年にかけて、マダガスカル産のバニラの価格は急騰し、現地での取引価格が600USD/kgを超えていました。この頃は銀よりも高価な香辛料としてよく報道されていました。この原因としてよくいわれていたのが、サイクロンによる収量の減少や中国等の新しいマーケットでの需要の拡大、そして価格高騰を見越しての投機的なお金の流入でした。しかし、本当の原因はどうだったのか、その後の価格の推移を見ていると、ますますよくわからなくなります。少なくとも、マダガスカルのバニラの価格は単に需要と供給によって決定されてはいないということは確実なように思います。そのため、価格の推移を予想するのが難しく、したがって事業を継続させることも難しいといえます。ここでは、マダガスカル産バニラの価格の推移とその理由、そして現在の急落と今後の見通しについて書きます。